正規標本論と「t分布」「χ2分布」「F分布」のおさらい
文字を以下のように定義します。
母集団 | 標本(サンプル数 : ) |
---|---|
母平均 | 標本平均 |
母分散 | 標本分散 |
母集団分布 |
A. 1標本の場合
正規母集団に従う確率変数を考える。標本を 、標本のサンプル数をとする。
A-1. 標本平均 の標本分布
※ 標本平均 は、母平均の「不偏推定量」かつ「一致推定量」である。
(1)標本平均 の分布(母分散 が既知)
(2)標本平均 の分布(母分散 が未知)
→ (=t値) は、t分布: に従う。
A-2. 標本分散の標本分布
※ 標本分散 は、母分散 の「不偏推定量」かつ「一致推定量」である。
(3)標本分散 の分布
→ (=)は、分布:に従う。
B. 2標本の場合(XとYは独立)
正規母集団に従う互いに独立な確率変数 と確率変数 を考える。それぞれ標本を , 、標本のサンプル数を , とする。
B-1. 標本平均の差 の標本分布
(1)標本平均の差 の分布(母分散が既知)
→ は、正規分布: に従う。
(2)標本平均の差 の分布(母分散が未知)
→ 母集団が等分散である()ならば (=t値) は、
分布: に従う。
→ 母集団が等分散ではない()ならばウェルチの近似法を使う。
B-2. 標本分散の比 の標本分布
(3)標本分散の比 の分布
→ (=F値) は、分布: に従う。
正規母集団の仮説検定については、以下の記事でより詳しく紹介しています。
yul.hatenablog.com
参考
- 作者: 東京大学教養学部統計学教室
- 出版社/メーカー: 東京大学出版会
- 発売日: 1991/07/09
- メディア: 単行本
- 購入: 158人 クリック: 3,604回
- この商品を含むブログ (79件) を見る
- 作者: 小島寛之
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2006/09/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 215人 クリック: 3,105回
- この商品を含むブログ (115件) を見る